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キャロットケーキについて

キャロットケーキの歴史って?:イギリス在住歴10年の店主が解説!

#キャロットケーキ#グルテンフリー#米粉ケーキ

こんにちは、YOKO BAKESの店主、Yokoです。神奈川県藤沢市の、「片瀬」という江の島に近い場所で、グルテンフリー&イギリス菓子の専門店を経営しています。自身の小麦アレルギーをきっかけに、全て日本の有機米粉で焼いています。看板商品は何と言ってもキャロットケーキ。この記事では、

  • そもそも、キャロットケーキって何?
  • キャロットケーキはいつどこで始まったの?
  • キャロットケーキは世界中で愛されている?

等々、キャロットケーキにまつわる皆さんの素朴な疑問あれこれに、店主自らがお応えします。イギリスに長く住んだ私ならではの記事となっておりますので、ぜひお楽しみ下さいませ。それでは、参りましょう!

キャロットケーキとは?

私が小さい頃(=昭和時代)は全く見たことも聞いたこともなかった「キャロットケーキ」、今では日本でもよく耳にするよになりました。カフェやネットショップ、インスタでも見かけることが多くなり、大手のレシピ本にも出ているくらいでビックリです。

日本で人気の、いわゆる「生ケーキ」とは全然違う雰囲気を醸し出していますが、一体全体、「キャロットケーキ」とは、何なのでしょうか?実は私も詳しい歴史を知らなかったので、これを機会に調べてみました。歴史が大の苦手な店主ですが、食べ物のことなら俄然張り切ります!

中世に始まるキャロットケーキの歴史とは:お砂糖の代用が始まり

色々と調べてみましたところ、キャロットケーキの生まれの国には諸説あるようです。ただ、共通して言えるのが、キャロットケーキの始まりは、「ヨーロッパでお砂糖の代用として使われた」こと。中世の頃(日本で言う鎌倉・室町時代)は、お砂糖は高価で手に入りにくい貴重な食材でした。今みたいに、誰もがたくさん買えるものではなかったのです。

そこで、人参の甘味を生かしてデザートに使い始めたのがキャロットケーキの始まりだそう。とは言え、当初はお食事系としてだったり、甘いデザート系としてだったりの、”pudding”(プディング)として楽しまれており、1591年にロンドンで出版されたレシピ本には、「人参の肉詰め」なるものが登場していたそう。そこには、卵、レーズン、クローブなど、現在のキャロットケーキに使われている材料と共通するものが多いことから、この辺りが起源なのではと食の歴史家の間では見解が一致しているらしいです。(Wikipedia参照)

キャロット・プディング

因みに”pudding”とは「プディング」と読むのですが、日本で言うあのカスタードの「プリン」とは少し違った使われ方をしていて、現在のイギリスで”pudding”と言うと「デザート」のことが殆どです。しかし、お食事系の料理のことも”pudding”と呼ぶことがあり、例えばイギリスのローストディナーに欠かせない”Yorkshire pudding”などは、その代表例と言えるでしょう。私にとって”pudding”は「プリン」だったので、イギリスに住み始めた当初は、謎の単語のひとつでした(笑)。(今ではpuddingというと殆どの場合、食後のデザートのことを指します!)

そんな“プディング”だったキャロットケーキですが、パイの形になったり、ドーム型に入れて蒸されたりなどのバリエーションを経て、現在に至ります。1814年にフランスで出版されたレシピ本にはしっかりと「キャロットケーキ」の記述があり、その10年後には英訳がロンドンで出版されるなどして、人気が高まったみたいです。そして、第二次世界大戦中にお砂糖が配給制となったこと、さらにイギリス政府が人参の消費を勧めたことから、確実にイギリスを代表するお菓子として定着することとなったそうです。

他国のキャロットケーキ:ブラジルやスイスでも人気⁉

イギリスのイメージが強いキャロットケーキですが、実は他国でも愛されているケーキです。アメリカではもちろん、その南のサッカーの国「ブラジル」では、ふわふわの生地になんとチョコレートガナッシュをかけて仕上げられているそう!食べてみたい。

ブラジルのキャロットケーキ

そしてヨーロッパは中立の国「スイス」では、上にかかっているのはキルシュ入りのアイシングで、マジパンで型取った人参が飾られるとのこと。アーモンドやヘーゼルナッツの粉末も入るそうで、何ともリッチな印象です。子どもの誕生日ケーキとして人気だそうですが、キルシュのアルコール成分は大丈夫なのでしょうか…気になります。

スイスのキャロットケーキ

今のイギリスでの現地事情

そして肝心のイギリスでは、現在どのように愛されているのでしょうか。ロンドンに9年、Bathとその近郊に2年、通算10年余り英国に住んだ私ですが、キャロットケーキは素朴で家庭的な味として、カフェやベーカリーでは定番中の定番だったという印象です。イギリスではビクトリアケーキ”Victoria Sponge”がもちろん有名ですが、キャロットケーキは私が勝手に”Best of British Baking“と名付けさせて頂いており、イギリス菓子の中でトップクラスのケーキだと思っています。イギリスではチャリティーイベントが頻繁に開かれるのですが、そこでもキャロットケーキは定番としてしばしば登場します。中世から始まるキャロットケーキは、今なおイギリスで市民に愛され続けているケーキと言えるでしょう。

当店のキャロットケーキの特徴

さて、そんな歴史を持つキャロットケーキですが、YOKO BAKESのキャロットケーキは、何が特徴なのでしょうか。

店主が体験したイギリスをそのまま日本へ:イギリス人のお墨付き

キャロットケーキは、今や日本のレシピ本やネットでも紹介されているほど親しまれる存在となりましたが、当店のキャロットケーキは、何と言っても「イギリス直輸入」が売りだと思っています。イギリスに10年以上住んだ私が、キャロットケーキを選ぶ理由。

なんと言っても、美味しいから!

誕生日ケーキと言えばチョコレートケーキやいちごのショートが好まれますが、イギリスに住んでいたころ、私は自分の誕生日ケーキには必ずと言っていいほど、キャロットケーキを焼いていました。生クリーム仕上げのケーキはちょっと重いし、その日のうちに食べないといけないけれど、キャロットケーキは次の日も、その次の日も味が深みを増して美味しくなるんです。

でも、そんな「美味しい」という、ありきたりの理由だけじゃありません!

しっとりしていて、素朴で、大雑把なんだけどどこか優しい

そっけないフリして、実は優しく包み込んでいるような、その感じが、イギリス人にとっても似ていると思うからです。冷たそうで、温かい。気にしてなさそうで、気にしている。無愛想っぽくて、愛に溢れている。そんなイギリスとイギリス人を、とっても象徴しているような、そんなケーキ。だから私は、キャロットケーキを愛して止まないのだと思います。

キャロットケーキ
キャロットケーキ

そして、いつ頃からだったか、イギリスの友人知人の間で「Yokoの作るキャロットケーキはめちゃくちゃ美味しい」とお墨付きを頂くようになり、それはウェディングケーキでさえも、「3段全部キャロットケーキで!」とお願いされるほどに。私たち家族がイギリスを発つ前に開いたパーティーではたくさんのケーキを焼いたのですが、フィナーレはもちろん、キャロットケーキで締めくくりました。

この記事を執筆中の2024年現在、日本へ来て7年になりますが、キャロットケーキは今なお私とイギリスを繋いでくれているケーキです♡

ウェディングケーキ
イギリスのウェディングでもキャロットケーキのリクエストが!

店主のこだわり:1回では伝えきれないので分割して投稿します!

そんなヨーコベイクスのキャロットケーキ、わたくしヨーコのこだわりが詰まりに詰まっています材料、製造方法、レシピのルーツ、形やサイズ、オススメの保存方法や食べ方などなど。も~、語りだしたら、1日では足りないくらい!な、の、で。次回から、そんな拘りを一つずつ、紐解いて行こうと思っています。(最初はキャロットケーキ徹底解説・永久保存版というブログを書き始めたのですが、長すぎて分割することにしました。)

ではでは、書くエネルギーが切れてきた来た今日はこの辺で。続きが気になるよ~!って方は、気長にお待ちくださいね。それまでに、どんなキャロットケーキか気になる!という方は、オンラインショップより、お家に届けてもらっちゃってください。また、7月と8月の営業日は以下の通りです♪

皆さまのご来店&ご注文、心よりお待ちしております!

Yoko

この記事の著者

Yoko Wspanialy

1983年2月生まれ。奈良県出身、大学で上京。大学院からロンドンへ渡り、言語聴覚士となる。留学先のデンマークで出会ったポーランド人と結婚し、現地の病院にて7年勤務。イギリスで娘と息子を出産し、産休中に上司に頼まれてウェディングケーキを作ったのをきっかけに、ケーキ作りを仕事にしたいと願うようになる。BBCのブリティッシュベイクオフに応募し、最終選考まで残る。2016年末に日本へ引っ越し、現在鎌倉に在住。小麦アレルギーの診断を経て米粉に転換し、2021年に3月に実店舗をオープン。その開業記録や、ケーキをビジネスとして続けることのあれこれを書いています。

“キャロットケーキの歴史って?:イギリス在住歴10年の店主が解説!” への2件のフィードバック

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