地球温暖化とケーキ屋のリアルな悩み
こんにちは、Yokoです。神奈川県藤沢市、江の島近くの「片瀬」という街のケーキ屋さん。看板商品は何と言ってもキャロットケーキとブラウニー。全て米粉とてんさい糖で焼いているから、「食べた後も身体が軽く、落ち着いた雰囲気のカフェで心も満たされる♡」と多くの方に愛されています。今日はそんなヨーコベイクスの夏の悩み、ずばり「この温暖化が進む中で、冷菓をどう包装するか」を皆さんにこっそり打ち明けちゃいます。相変わらず包み隠さずな内容となっておりますので、ケーキ屋さんの頭の中が知りたい方は、ぜひ読み進めてくださいね。
7月初旬なのにめっちゃ暑い
やってきました、暑い夏。しかし暑い。だってまだ7月ですよ。これを書いてるのは7月6日。なのに暑さは8月並み!アスファルトからの熱でくらくらしそう。子どもやワンちゃんや猫ちゃんなど、背が低い人はもっと暑いんだろうなぁ。巷で流行っているあのポータブル扇風機みたいなの、皆さんは持ってますか?私は持ってないのですが、いよいよ買おうかと迷っています。
ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、わたくしヨーコは最近、「エシカルコンシェルジュ講座」というセミナーを受講しています。エシカルな活動をされている、「世界ふしぎ発見!」の元ミステリーハンター、末吉里香さんのセミナーです。
エシカルコンシェルジュ講座はこちらから
10回の講座のうち、3回目を今日終えたところなのですが、これまで学んだことを一言で表すとすると、「もうまじで温暖化がやばい」ということ。詳しくはまたご紹介したいと思っていますが、とにかく「超えたらヤバイ気温1.5度上昇」を、私たちは今、そうこの今、超えているところだそうです。しかも、怖いのは、実際にその「ヤバイ線を越えてる感覚」が体感としてあることです。だって、風が熱風です。あのポータブル扇風機だって、使っても熱風だけが出てくるんじゃないかな?とちょっと疑わしく思っている私です。
そして、こうも暑くなる時期が早くて、涼しくなるのが去年みたいに遅くなると、もう1年の内半分くらいは夏なんじゃないかと思ってしまいます。イギリスに長く住んだ私からすると、5月くらいから夏。そして10月末まで続く。そんな感覚です。
ひんやりスイーツが食べたい
となると、ヨーコベイクスでも少し「ひんやりしたスイーツ」を食べたいなぁとなる訳です。余談ですが、最近「腸活」をしていて、冷たいものを食べないようにしている私ですら、「ちょっと冷たいものが食べたい。のど越しがいいものを食べたい」ってなるんです。(胃腸が弱いのは昔からなので、冷たいものを食べないようにしているのは、基本いつものことですが)
パッケージをどうするか問題
去年も、その前の年も、作ろうと思ってたのですが、ずっと一歩踏み出せなかった理由。そう、
冷たいスイーツを「どう包装するか問題」
があるのです。
私が作りたいのは、3層になったひんやりスイーツ。鎌倉の笛田でポップアップ出店していたころから作っているのですが、めっちゃ美味しいんです。なのに、軽い。「美味しくて軽い」は、当店のスイーツ全般に言えることですが、満足感がありながら、身体に優しい。そして何より、見た目に美しいんです。いちばん上がフルーツの層なので、3層の色のコントラストが本当に綺麗で。見てるだけでも癒されるんです。
冷菓にはどんな包装があるのか
そして、そうなると、やっぱり層が見える容器に入れたい訳です。そうなると、いちばん手軽なのが、「プラ」。他のお店はどうしてるんだろう?と最近色んなお店に出向いてはリサーチしていますが、大体がプラ容器です。ガラスのところもちらほらありますが、ごくごく少数派。お菓子の材料の販売店でも、この季節の人気検索ワードが「プラカップ」で上位にあがってくる程です。
ここはヨーコ得意の「創意工夫」です。ブレスト(=ブレインストーミング)して、色んなアイディアを打ち出してみます。(こんなことを四六時中考えています)では「ひんやりスイーツ」=「冷菓」、を包装するには、どんな方法があるのかをまとめてみましょう。可視化は大切です。
選択肢①:プラカップ
これが一番よく見かける選択肢。だけどここに踏み込みたくないのが、ヨーコベイクスの頑固なところ。誰かが何かを変えないと、何も変わらないのです。
選択肢②:ガラスのカップに入れる
こんな感じです。でも、例えば家族4人分買ったら、必要のないガラスカップが4つ増えるってこと。う~ん、これはどうなんだろう?
選択肢③:プラスチックのフィルムで囲む
この写真のスイーツはプラフィルムで囲んでないけど、ケーキ屋さんでよく見かける、くるっと一周、プラスチックの薄いフィルムで囲む手もある。その場合は、小さなセルクルがたくさん必要。←断捨離で誰かに譲ってしまった。
選択肢④:紙カップに入れる
小6娘のアイディア。「アイスカップみたいに紙カップに入れて、カップの外側に3層の写真を貼ったら?」という名案。「ママの好きなクラフト紙のやつにしたら?」と、さすが私の娘。これはかなりいい、と思ったけど、やっぱり中の層が見えて欲しいなぁという気持ちは拭えない。
選択肢⑤:他のケーキと一緒で、カットしてワックスペーパーで包む
こんな感じです。しかし、これにはスライスの技術と忍耐が必要です。当店のスライスを担当してくれている製造スタッフの凄腕だったら、きっと大丈夫。ただ、底の部分と白いフィリングの部分がすべって分離しやすいのが困りどころ。ここは試作を重ねるしかないのか?
冷菓の包装が特別な理由
余談ですが、ひんやりスイーツをなぜ容器に入れる必要があるかと言うと、ゼラチンや寒天などで固めているものを自立させるためなのです。そして、好みにもよりますが、かっちかちに固いより、すこし柔らかく、ゆるめに仕上げたい場合、そのプルプルゆるゆる感を支えてくれる入れ物が、必要になる訳なのであります。そして、ゼラチンで固めたものは溶けるけど、寒天は大丈夫。という性質もあるので、やっぱりトライ&エラーで繰り返し試作するしかないかな。
まとめ:ヨーコの結論は?
と、ここまでいろんな選択肢を見てきました。まとめるとこんな感じです。
- 「ひんやりスイーツ」は、そのプルプルした性質や、溶けやすい性質から、自立しにくい
- そのため、容器に入れたり、しっかり包む必要がある
そして、その「包装」の方法には、こんな方法があることが分かりました。
- 王道のプラカップ
- ガラスのカップ
- プラスチックのフィルム
- 紙カップ
- スライスしてワックスペーパーで包む
さて、YOKO BAKESはこの夏、どのような結論を出すのでしょうか?まだまだ色々と検討中です。もしかしたら全種類が店頭に並ぶかも知れません。もしかしたら1つに絞るかも知れません。もしかしたら、悩むだけ悩んで、全然やらないかも知れません。もしかしたら、またインスタ投票するかも知れません。
ただ一つ、はっきりと思うこと。それは、
ケーキ屋として、誰かが何かを変えないと、何も変わらない。
どんどん暑くなる夏。日本で夏にひんやりスイーツを食べるのは、この時期ならではのお楽しみです。それを、地球と仲良く暮らしながらしたい。先日、娘の屋外の水泳教室が、「水温が40度を超えて熱すぎるので入水禁止」となり、楽しみにしていたプールの時間が中止になってしまいました。今小学校に通う娘と息子が、そして帰り道にお店の前を通る片瀬小学校の子どもたちが、私くらいの歳(40代)になった時、夏でも外を出歩けて、プールに入れて、ひんやりスイーツを楽しめる未来を築くには、小さなことでも始めたい。そう思う今日この頃であります。
さて、長くなりましたが、いかがでしたでしょうか?「ヨーコさん、このスイーツ早く作ってくれ~」と思っていただけたら、嬉しいです。私も写真を貼りながら、食べたくなってしまいました♡
それでは今日はこのへんで。
これを読んで下さったあなたへ、私からたくさんの愛を込めて。
2024年7月吉日 Yokoより