白砂糖は身体によくない?健康リスクと他の甘味料
「白砂糖不使用」という言葉を目にすることも増えて、健康や美容のために白砂糖を避けている方も多いのではないでしょうか。「白砂糖不使用」のメリット&デメリットについて、また、代わりの甘味料を使うメリットについてもご紹介します。この記事はこんな方におすすめ↓
- 白いお砂糖の健康へのリスクが気になっている方
- 白いお砂糖の摂取を減らしたい方
- 白いお砂糖以外に使えるお砂糖の種類を知りたい方
この記事を読むことで、こんなメリットがあります。
- お砂糖を賢く取り入れるヒントが得られる
- 健康を気にしつつ美味しさを楽しむための、具体的な方法が分かる
白砂糖は、日常生活において広く使われる甘味料で、料理やお菓子作りに欠かせない存在。でもその便利さの裏には、健康への影響や長期的なリスクも、実は隠れています。この記事では、
- 白砂糖の魅力や利点を解説しつつ、
- 過剰摂取のリスク
- 他の甘味料との違い
- 適切な砂糖の使い方
を説明します。
白砂糖にもメリットがある
白砂糖には健康へのリスクが孕んでいますが、とは言え、白砂糖にも使うメリットがあります。ここではまず、白砂糖の主なメリットについて見ていきましょう。
ちなみに日本で手に入る代表的な白砂糖は、グラニュー糖、上白糖、粉糖、三温糖などです。
他の素材の味の邪魔をしない
白砂糖は、その精製過程により、不純物(=ビタミン、ミネラル、カルシウム)が全て取り除かれています。つまり、味もその分スッキリしているということです。なので、お菓子作りにおいて繊細な味の素材を使う場合、白砂糖と組み合わせることは、その素材の味を引き立たせることにもなります。特にももやシャインマスカットなどの繊細な味の果物でゼリーやジュレなどを作る場合は、白いお砂糖の方が、素材の味を邪魔しないかもしれません。
メレンゲが安定する
先ほども述べたように白砂糖は不純物が全て取り除かれて精製されています。そのため、加熱をした際に、温度が安定しやすいという利点があります。例えば マカロンを作る時によく使われる手法が「イタリアンメレンゲ」というものなのですが、これはお砂糖を117°cに煮詰めたものをメレンゲに加えることで作られます。その時、てんさい糖や素精糖などの、ミネラル(不純物)が残っているお砂糖を使うと温度が安定しにくく、安定したイタリアンメレンゲを作ることができません。
イタリアンメレンゲをしっかり作ることはマカロンの成功には欠かせません。なので白いお砂糖は、イタリアンメレンゲなど、 特定のお菓子を作る技術には必要だと言えそうですね。
色が綺麗に出る
白いお砂糖の利点としてもう一つあげられるのが「色が綺麗に出る」ということ。てんさい糖や素精糖などと違って、色がついていないため、クリームは 白いまま、繊細な色のフルーツもそのままの色を出すことができます。見た目を重視するスイーツの場合は、白砂糖の方が向いてるかもしれません。
白砂糖のデメリット
ではここからは、白砂糖のデメリットについて詳しく探っていきましょう。
血糖値の急上昇
白砂糖の代表的な デメリットとしては、GI値が非常に高いことが挙げられます。つまり、白砂糖を摂取した後は血糖値が急激に上昇するということ。その急上昇を抑えるためにインスリンがたくさん分泌されるため、その反撃で、血糖値がまた急激に下がることになります。これを「血糖値の乱高下(らんこうげ)」と言います。血糖値の乱高下を抑え、1日を通して血糖値を緩やかに保つことは健康の要にもなります。甘いものが食べたい時は、なるべくGI値が低いものを選ぶようにしましょう。低GI 値の食品を選ぶことは、ダイエットをしている方にも有効です。
中毒性がある
先ほども述べたように、白砂糖はGI値が高いため、血糖値が急上昇しそれを抑えるためのインスリンが過剰に分泌されます。結果、血糖値はまた急激に下がることになるのですが、その時に倦怠感や急激な空腹感を感じることが多々あります。その時、多くの方が欲するのが、そう、「甘いもの」。さっき食べたばかりなのについついまたチョコレートに手が伸びる。さっき食べたばっかりなのにまた甘いケーキが欲しくなる。何か甘いものを食べないと眠くて仕事にならない。つまり「もっと食べないとダメ」という、中毒性があるということ。これが、過食の原因になり、体重の増加や肥満へと繋がります。実は今、世界中で肥満の問題が増えており、これに白砂糖の影響が関連していることが指摘されています。
カロリーだけの白砂糖
このように、白砂糖にはメリットがある反面、健康へのリスクも見逃せません。白砂糖はその精製過程で全てのビタミン、ミネラル、カルシウムを取り除いているため、何の栄養素も含まれていません。ただカロリーが高く、GI 値が高いだけです。そのため欧米諸国では「empty calories」(栄養素が空っぽのカロリー)と呼ばれているほど。
白砂糖は、「どうしても白砂糖のメリットを使いたい」、という時にだけ使い、他は白砂糖に代わる甘味料をうまく取り入れていけたらいいですね。次章では、白砂糖に代わる健康的な甘味料や砂糖の使い方について考えていきます。
白砂糖以外の甘味料
白砂糖に健康へのリスクがあるからと言って、甘いものを全く食べないという人生はちょっとつまらないですよね。やっぱり、ちょっとしたスイーツやケーキは、人生を豊かにしてくれるもの。幸いなことに、今は白砂糖以外の甘味料がスーパーでも手に入りやすくなっています。ここでは白砂糖と他の甘味料を比較し、それぞれの栄養価や使い方について詳しく見ていきましょう。
精製が抑えられたお砂糖
白砂糖以外のお砂糖として、まず、「精製が抑えられたお砂糖」が挙げられます。代表的なものは、黒砂糖、素精糖(そせいとう)、素焚糖(すだきとう)、キビ糖、甜菜糖(てんさいとう)など。きっと スーパーのお砂糖コーナーに置いてあるのを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。お米で言うと、白砂糖が白米なのに対し、これらのお砂糖は、玄米や分づき米のようなイメージです。
ここで注意したいのが、茶色い色をした、三温糖。色が茶色いので、精製されていないお砂糖と勘違いされやすいですが、実は 白砂糖と同じく、精製されたものに色を加えたものなので、栄養価はなくカロリーだけの、白砂糖と同じものです。
沖縄名物の「黒砂糖」は、サトウキビの絞り汁を煮詰め、結晶化させて作られたもので、精製度が低いことからミネラルを多く含んでいます。特にカルシウム、カリウム、鉄分が豊富で、ビタミン含有量も白砂糖より高い傾向があります。
素精糖(そせいとう)、素焚糖(すだきとう)、キビ糖も同じくサトウキビを原料に作られており、精製を抑えて蜜分を残した製法で作られるため、白砂糖と比べて原料由来のカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分を多く含んでいます。
黒砂糖、素精糖、素焚糖、キビ糖が南の沖縄のサトウキビを原料として作られているのに対し、甜菜糖(てんさいとう)は北の北海道で採れた「甜菜」が原料。甜菜は、別名「砂糖大根(サトウダイコン)」や「ビート」とも呼ばれています。てんさい糖も同じく、その精製を抑えた製法で作られるため、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛等の天然のミネラルが含まれています。また、甜菜糖は、さとうきび由来のお砂糖に比べてGI値が低いのも嬉しいポイント。マクロビオティック的に「寒いところで採れたものは体を温める」と考えれば、冷え性に悩む女性にも嬉しい効果がありそうですね。
このように、黒砂糖、素精糖(そせいとう)、素焚糖(すだきとう)、キビ糖、甜菜糖(てんさいとう)などのお砂糖は、精製を抑えた製法で作られるため、白砂糖には全く含まれていない栄養素が含まれています。それゆえ、健康に気を遣う方にとっては、このような精製が抑えられたお砂糖の方がベターな選択と言えそうです。
ただ、黒砂糖、素精糖(そせいとう)、素焚糖(すだきとう)、キビ糖、甜菜糖(てんさいとう)などのお砂糖は、白砂糖に比べて独特の風味や色があるため、料理やお菓子作りに使用する際には、その特性を考慮する必要があります。例えば、同じ分量を使った場合、黒砂糖は白砂糖よりも甘味が強いため、少し量を減らすなど、使い方に工夫が必要です。
はちみつなどの天然甘味料
「お砂糖」では 区分されない天然甘味料には、はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップ、ココナッツシュガーなどがあります。これらは自然な原料から作られていて、一般的に白砂糖よりも栄養価が高いとされています。
例えば、はちみつは抗菌作用があり、エネルギーを効率的に提供します。また、メープルシロップはポリフェノールを含んでいて抗酸化作用が期待できます。ただ、天然甘味料はカロリーが白砂糖に比べて少し高いことがあるため、全ての甘味料同様、摂取は適量にとどめておきましょう。
ステビアなどの人工甘味料
最後に、「人工甘味料」には、アスパルテーム、サッカリン、ステビアなどがあり、これらはカロリーが非常に低いか、ゼロの特性を持っています。特にダイエットを意識する人々には好まれる傾向があります。
ただ、人工甘味料の安全性については賛否が分かれていて、一部の研究では、長期間摂取することによる健康リスク、例えば発がん性や腸内フローラへの影響が懸念されています。ただし、これらは科学的に確立されたものではなく、まだ多くの研究が必要とされていますので、これからの動きに注目したいところです。
また、味の点では、人工甘味料は他のお砂糖とは異なる風味を持つため、料理によっては適さない場合もあります。そのため、人工甘味料を選ぶ場合は、人工甘味料を使う利点(低カロリー)とリスク(味と身体への影響)をよく考慮することが大切と言えそうです。
これまでの話をまとめると、白砂糖は味や色、特定の製菓の技法においてメリットがある一方で、栄養面では他の甘味料に劣っていることがわかります。それぞれの甘味料の特性を理解し、自分の健康状態や料理・お菓子作りの用途に応じてうまく使い分けることで、より健康的で豊かな食生活を実現することができそうです。
上手なお砂糖との付き合い方
健康へのリスクが多い中、お砂糖は多くの料理やお菓子に欠かせない甘味料。ここでは、健康的に美しく、お砂糖と上手に付き合うポイントをご紹介します。
ポイント①適量を守る
まず、毎日のお砂糖の摂取量は、WHOの推奨によると、エネルギーの10%未満が望ましいとされています。摂取量を控える方法として、食材のラベルを確認し、含まれる糖分を意識的に把握することもあげられますが、一番取り組みやすいのは、調理する際に「少しずつお砂糖を加える」ということ。一度に多くの砂糖を加えるのではなく、好みに合わせて調整することで、結果として砂糖の摂取を抑えることができます。
また、料理での甘味には「みりん」を使うこともおすすめ。筆者の家では料理にお砂糖は使わず、甘味が欲しい時は、「本みりん」のみ加えるようにしています。またお菓子作りにおいては、お砂糖の量をレシピから10%から20%減らしてみるのもおすすめ。特に海外のレシピはとても甘いものが多いので、海外のレシピの場合は20%くらい減らしても、問題はないでしょう。
ポイント②摂取タイミングの工夫
砂糖を摂取するタイミングを工夫することも、健康的な砂糖の使い方の一つ。例えば、運動をする前後に糖分を摂取すると、エネルギー補給として利用できます。特に、運動前に果物や天然の甘味料を摂ると、持続的なエネルギー源となり、運動のパフォーマンスが上がることが期待されます。スポーツ前後の補食については、こちらの記事も参考にしてみてください。
子供のスポーツに最適な補食とは?効果的な摂取方法
また、寝る前に糖分を摂ると、血糖値の急上昇が起こり、睡眠の質が悪くなってしまう可能性があります。寝る前の甘いものはなるべく避け、日中にエネルギーが必要なタイミングでお砂糖を摂取し、就寝前には控えることで、血糖値のアップダウンを緩やかに保ちましょう。ディナーの後のデザートは、特別な日のためにとっておきたいものですね。
ポイント③自分にあった お砂糖を選ぶ
この記事でも見てきたように、白砂糖の摂取を減らしたいと考える方には、様々な甘味料の代替品があります。精製を抑えて作られた黒砂糖や甜菜糖などのお砂糖。天然の素材からできたはちみつやメープルシロップ。甜菜糖や黒砂糖、天然甘味料にはビタミンやミネラルが含まれており、少量であっても風味豊かな甘さを楽しむことができます。
また、どうしてもカロリーのコントロールが必要な方には、ステビアやエリスリトールなどのカロリーゼロの人口甘味料も手に入ります。お砂糖と同様の甘さを持ちながら、血糖値に影響を与えにくい特徴がありますが、代替品にもそれぞれ利点と欠点があるため、自分に合った甘味料を見極めることが大切と言えそうですね。
お砂糖と上手に付き合うことで、美味しい料理やお菓子を楽しみながら、健康や美容を維持することが可能です。適量を意識し、摂取タイミングや代替品を上手に活用することで、より健康的で豊かな生活を手に入れましょう。
まとめ
白砂糖は特定のメリットがある一方、健康上のリスクもあることが分かりました。代表的な例は、
- 白砂糖は、血糖値の乱高下を引き起こす可能性
- 白砂糖の、中毒性による肥満のリスク
白砂糖以外の甘味料にはこのようなもには、3種類あることが分かりました。
- 精製を抑えて作られたお砂糖(黒砂糖やてんさい糖など)
- 天然の甘味料(はちみつやメープルシロップなど)
- 人工甘味料(ステビアなど)
お砂糖と上手に付き合うポイントをまとめると、
- 適量を摂る。減らせるところは減らす。
- 食べるタイミングを工夫する。寝る前は避ける。
ちょっとしたスイーツ。特別な日のケーキ。ご自身の息抜きやご褒美に、甘いものは豊かな人生に欠かせませんよね。もちろん、食べ過ぎは健康に良ろしくないですが、お砂糖の種類や量、食べるタイミングを工夫して、健康と美容を維持しつつ、楽しいスイーツライフを送れたら最高ですね。この記事が何かのお役に立てましたら幸いです。
それでは、また。
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